千葉雅也「デッドライン」を読んで

何の予備知識も前評判も無縁にして、題記の芥川賞候補作を読んだ。大学院生の卒論の期限が迫るなかで繰り広げられる生き様を描いた小説で、とても得体の知れない内容だった。退廃とは違う、自暴自棄でもない、さりとて多くの人が共有できるような青春の痛みを持つものでもない。ジキル博士とハイド氏とは少し違うが、真面目に哲学に向き合う側面とホモに溺れる二重人格の主人公がそこに居た。とても理解し難く、何かしら不潔感も漂ってきて、読後の爽やかさは皆無だ。著者を調べると、大学で教鞭をとる哲学者が定職で、わりと有名人らしい。ネットではこの本の紹介に「気鋭の哲学者による魂を揺さぶるデビュー小説」とあった。確かに魂がマイナス側に揺れて落ち込んでしまうが如くだった。

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乗代雄介「最高の任務」を読んで

最新の芥川賞候補作の中の一つを読んだ。候補作品はいつもながら読書感想を書くのが難しい小説で、唯一よいことは作品が短いことだ。賞の応募資格が中編までとされ、分厚い単行本ほどの分量は対象外とされている。本作品を読んで、又いつもながらの感触を持った。分かり易い文章で読みやすいのだが、とことん感情移入したり先を競って畳み込んで読み進んでいくといった醍醐味が一切ない。瑞々しくうまい文章なのに全体が退屈なのだ。この感触はまさに芥川賞を勝ち取る雰囲気だ。主人公の姪と早世する叔母との交流を描いた内容で、日記を多用しているところに新規性を感じた。ただ、多感でナイーブな若い女性の心情を描くのに女流作家のような自然な艶めかしさはなく、文体に無骨な男性作家がイメージされてしまうイマイチさを感じた。

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病院に行きました

待ちに待った病院ですが、べらぼーには混んでいませんでした。まあ、うちのオバはんが予め受付を済ませてくれたので、助かりました。この正月はずーうと、お世話になりっぱなしです。結果は意外と言うかシンプルでした。先生の最初の一言は「風邪ですね」。風邪以外の何ものでもないと思っていた私は風邪は当然分かっていて、これを真っ二つにカチ割って、その先の鼻や喉や気管支、そして肺が今やどんな状態に追いやられているのかをハラハラしながら聞くはずでした。ところが、喉の状態はそんなには悪くなく、聴診器の呼吸音はとても穏やかで、肺炎への恐れはありません、とのことで拍子抜けしました。インフルエンザなのかどうかを問うと、もっと早い段階では検査と治療がセットで有効だが、今となっては確度が落ちてあまり意味がないとのことでした。毎日続いていたあの咳込み、胸が張り裂けんばかりの痛みは一体何だったのか、「単なる風邪ですね」とは言われなかったもののどうやら通常の風邪だったようです。カミさんからよく言われる「大袈裟人生」の年始版と言ったところに落ち着きそうです。
ところで、寝込んだベッドの中ではいろんな過去のシーンを思い出しました。瀕死の時は悲しい場面が走馬灯のようによぎるとも言われています。今回は悲しいこともよぎりましたが、今日の病院通いの結果を見据え、一つだけ紹介させていただきます。高1の担任は生物のM先生。先生が風邪を召されとても話しにくそうな講義中に何とこんなことを言われました。「風邪引きは元来つらいんだけど、治りかけてくるとこれが逆転して気持ちがいい。もうこれ以上は悪くはならないし、どんどん良くなっていく。実に爽快な気分がする。A君分かるかね」私はA君ではありませんでしたが、
「シェンシェー、分かりません」とA君が答えると、必ず帰ってくる言葉が以下でした。
「分かれ」と。大方の動詞は命令形をもちますが、普段使いの口語で「分かれ」とはほとんど言わず、これをよく使われた先生のお言葉がいまだ心の片隅に残っています。

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完敗の正月

明日からは平常勤務の世の中。この正月は完全に寝込み、今日もベッドから離れられませんでした。明日は待ちに待った通院日、何とかしたいものです。

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風邪には睡眠、と言ったものの

風邪を引いて4日目、まだまだ症状が続きます。まだ声もろくにでません。睡眠さえ取ればと当初は思っていたものの、なかなか寝付けられないのです。横隔膜なのかどうかお腹の中心の膜が四六時えへらえへら笑っていて今にも咳込む寸前の状態で待機して体が妙に戦闘状態なのです。敵もさるもの、安眠させてくれません。何とも辛い限りです。おまけに喉はカラカラ、異常乾燥です。一つだけいいことを思いつきました。マスクすることです。これで敵も少しは勢いが緩和されるのではと一途の望みです。こうなれば風邪くんと長期戦の構えです。今日から思い切って食事と風呂を再開することにしました。

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一に睡眠、二に睡眠、三がミカンで、四また睡眠

正月早々に引いた風邪が一向によくならず、今や寝込む事態となりました。鼻から喉へ来て生つばを飲み込むと痛いこと。今はベッドの中で安静にし、ブログはiPhone 越しに操作しています。明日には良くなることを祈っています。

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正月はパエリア?

昨日、早朝の凍えが応えて体調を崩し、元日から風邪をひきました。こちらに引っ越してから8年、風邪らしい風邪から免れていましたが、ここにきてまさかのダウンです。今、風邪の感触を懐かしく思い出しています。寝込むほどではないのですが、外出は御法度、今日のブログはどうしたものかと思案し、このタイトルにしました。写真は実は大晦日のランチです。帰省した娘が作ってくれたパエリアです。お米料理と言えば、チャーハンにピラフが馴染みですが、リゾットやパエリアなどもあって、グルメ音痴の私はあまりその違いを知らずじまいでした。と言っても、まだ詳しく知ったわけではないのですがパエリアはスペイン料理、リゾットはイタリア料理、ピラフはフランス料理のようです。国別で作り方も異なり、パエリアは魚介や野菜、肉のスープで炊き込むものだそうです。家庭で食べたことがあるか、思い出すのも至難ですが、とても美味しくいただきました。題名は「年末のパエリア」が正解でした。しかも、今は完全に食欲がなく、年末・年始の料理と風邪が交錯し、将来の思い出となるに違いありません。当ブログの「料理」カテゴリーで昨年の投稿数は1件のみ、本日は年明け早々の快挙(?)でした。

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明けましておめでとうございます

2020年がスタートしました。今朝の安曇野・穂高は最低気温がマイナス6.3℃、初日の出を見に7時前から戸外に出て、じっとすること30分。完全に凍え切りました。日の出方向はあいにく雲がかかり、鮮明なご来光ではなかったものの初日の出を拝むことができました。そして、元旦に恒例となった穂高神社への初詣でです。そこそこの人出で結構な賑わいでした。

以下はブログ人の今年の年賀状です。前年撮った写真の中から賀状に合いそうな1枚を選び、Adobe Photoshopのフィルター機能を使って絵画風にレタッチしました。当ブログですが、本年ものんびりと情報発信していきたいと思っています。よろしくご閲覧方、お願いいたします。

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大晦日、当ブログを振り返り..

今日は大晦日、安曇野・穂高の最低気温はプラス2.1℃で生暖かくさえ感じた朝でした。でも風が次第に強くなり寒冷地にギアチェンジです。夜半にはきっと冷え込むでしょう。
ところで当ブログですが、2013年3月の開設以来、丸7年近くとなりました。右の表がその間に投稿したカテゴリー別の集計で、その多い順に並べました。下のグラフは各年のカテゴリー別の投稿数を示し、横軸は今年の投稿の多い順に表示しました。もう限界に近いグラフですが、Excelスキルの衰えを何とかカバーしながらの集計でした。今年は何と言っても、投稿が途切れることなく365日、持続できたことです。と言いますか、中身の貧相には目もくれず、単に日々呼吸をするが如く、何かしら書き連ねた、と言ったところでしょう。それでも、ネタ切れの時は、オバはんからの借り物やシリーズものに頼った1年でした。さて、今年1年の特色は、

①カテゴリー別の投稿数では、第4位までが全て40台と、この1年ならではの特化した事象がなく、全体的にも適当にバラけた感の1年でした。それでも、写真・絵が3位に躍進したのは今年、カメラを新調したことが効いたと思います。
②複数回投稿の中で、前編・後編などのリピートを除いて回数の多いものはシリーズ化していて、今年はその数が7つに及びました。テレビの水戸黄門などは付け足しでしたが、注力したのはピアノ奮闘記とカメラ事情が印象に残っています。
③山は投稿頻度が少ないですが、それでも毎年、新たに登る山を意識してきました。今年は白馬乗鞍岳と乗鞍岳に初挑戦し、いずれもバテたのが記憶に残っています。
④スキーは出かける頻度が年々減ってきて、かつ今年は新規開拓の初めて行くスキー場はありませんでした。雪不足でスタートしたシーズンでしたが、フルフルで滑る気力に衰えを感じるこの頃です。

田舎暮らしの気ままなブログは今年も終わり来年を迎えますが、これと言った抱負も持たずに持続させていきたいと思います。当ブログをチェックされている方には頭の下がる思いですが、今後ともよろしく、お付き合いいただければ幸いです。それでは、よい年をお迎え下さい。

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年末恒例の軽井沢アウトレットへ

今日は帰省した子供と一緒に、年末恒例となった軽井沢アウトレットへ行ってきました。昨日と打って変わって雨混じりの朝で、軽井沢では雪でした。車も途中から混み合い、午前10時着の予定が渋滞で30分ほど遅れました。一般道で2時間半ほどかかったことになります。それにしても、この天気にも関わらず現地は大変な賑わいでした。正月明けは一体どうなることでしょう。私はと言えば、山グッズ店で少し買い物をして帰りました。

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