先般の直木賞候補の一つである掲題の本を読んだ。著者の原田マハの作品を読むのは自己の読書録を調べると、今回で8冊目だった。原田マハの得意とするアート小説で、史実に基づくフィクションだ。洋画を収集した日本初の美術館である「国立西洋美術館」の誕生にまつわる秘話がこの小説の題材となっている。以前から松方コレクションの名だけは知っていたが、実際にはどんな性格のものでどのように誕生したのか、本書を通じてよく分かった。それにしても関係者が大変な努力をして、今日に至った様子が計り知れた。本のディテールは創作部分も多いことと思うが、フランスから「寄贈返還」されたタブロー(絵画)に含まれなかった20数点の松方コレクションの作品とはどんなものなのか小説には網羅されておらず、その詳細が気になった。その史実としての部分を調べるのにかなり時間を要しそうだが、折を見てチェックしたいと思っている。
原田マハ「美しき愚かものたちのタブロー」を読んで
国営アルプスあづみの公園
白馬八方尾根・北尾根高原
今村夏子「むらさきのスカートの女」を読んで
本年7月、第161回芥川賞を受賞した題記の本を読んだ。平易な文章で誰でも書けるような体裁となっていて、これで芥川賞を受賞したのかと思うと拍子抜けした。初めて読んだ作家で、女性らしいと言うよりか何か新世代の人が書く小説、と言った感じがした。ネットで調べると、人気作家のようで熱烈なファンも多いとのことだ。自分としては、本受賞作は面白さに欠け主張したいことも分からず、いつもながらの退屈な芥川賞と言うイメージ感をまたしても味わった。純文学ジャンルなのだろうが、馴染めない小説だった。
3日連続の猛暑日
今日の安曇野・穂高の最高気温は36.2℃で、3日連続の猛暑日です。一体どうなっているのでしょう。長野県内の最高気温はどうやら、ここ穂高が一番のようで自慢どころか不名誉な感じもします。猛暑日はその日の最高気温を捉えたものですが、1日の中で時間ごとの変化がどうなっているのか、調べてみました。この3日間の結果を示したのが下表です。猛暑日の数値としては8/7の37.0℃が最高ですが、グラフ上ではむしろ午後の最高気温が低めになっています。8/7の37.0℃はどうやらその日の13:20に観測したピーク値がかなりスパイク状に高かったのでしょう。午後に降り出した雨の影響で気温は低めで、実際の体感上の暑さはその日の最高気温では言い表せない典型的な日であったようです。さて連日の猛暑日ですが、本日の最低気温は20℃台と、例年並みになりました。ようやく熱帯夜から解放されて爽やかな朝でした。さて、今後はどうなるでしょうか。今日が立秋なので、もう秋に突入して欲しいものです。
大島真寿美「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」を読んで
先般の直木賞受賞作である題記の本を読んだ。人形浄瑠璃にまつわる伝記物で、史実に基づくフィクションだ。なかなか馴染めない本のタイトル名や浄瑠璃の不慣れさから当初、難しそうな本を連想したが、実際に読んでみると読みやすくとても面白かった。話し言葉だけにとどまらず徹頭徹尾、大阪弁でテンポよく語られる構成がユニークであり、心地よさを感じつつも何かしら文化圏の違いを目の当たりにした。実在した浄瑠璃作家の一生が描かれ、時の推移で浮き沈みする浄瑠璃の世界の中で懸命に生きた人々の情熱がとても共感を呼び、新鮮さも覚えた。直木賞受賞ならではの作品だと感心した。
酷暑で踊る時計盤?
今日の安曇野・穂高の最高気温は36.0℃の猛暑日です。このところの酷暑で、体のほかにも色々と変調をきたしているようです。自転車のハンドル・スイッチでライトのON/OFFが効かなくなり点きっぱなしになったり、プリンターの液晶画面のタッチセンサーが壊れて操作できなくなりました。まだ、修理もしていません。そんな矢先、本日、腕時計を見てびっくりしました。時計盤がおかしいのです。最初は暑さでぼーっとして目がかすんだか、と思いしやどう見ても文字盤が踊っているのです。適当な時刻に3枚、写真を撮ってみました。時計の針はどうやら正常に動いているのですが、背面の時計盤も意味不明に動いているのです。気色の悪いこと、然りです。これも修理に出すべきか、悩んでいます。長年、使い込んできたし、寿命ですかね。
芝のメンテナンス
先日、とある方から芝生のことについて問い合わせがありました。何やら、家を新築したついでに庭先を芝生にしたい希望があって、初めてなのでどうすればよいかとのことでした。その場で口頭で、自分なりの経験を話したのですが、どの程度伝わったか疑心暗鬼となり、備忘録としてメモを渡すことにしました。できあがったのが、以下の資料です。今年は春先に全面張替えして一から出直したので、初めて芝生をメンテする方にも何かしら参考になるかと思った次第です。実際の資料はA3サイズのpdfファイルにして印刷物にしました。当ブログにpdfでアタッチしようとしたところ、ファイルサイズが15MBと巨大なため、1MBほどのjpeg画像にして以下に貼り付けました。ご興味のある方はどうぞご覧ください。多分、印刷にも耐えられると思います。
このところ暑いですね
今日の安曇野・穂高の最高気温は35.1℃の猛暑日で、昨日の34.9℃と言い尋常でない日々が続いています。暑いのなんの、右の表は本日の気象データです。このところのパターンでは家の中の最高気温は1階で30℃程度と、何とか扇風機で凌いでいます。でも、就寝する2階の温度が深夜でも下がらず午後11時過ぎになってからエアコンを1時間ほどタイマー運転させて、寝室の窓を開けて寝ています。理由は11PMから深夜電力で半値になるからです。何せ部屋の中は熱帯夜なのです。引っ越してきた8年ほど前はこんな暑さではなかったなあ、などと思いを巡らし平年の気温がどんなかを調べてみました。下の表が穂高の過去30年間の8月第1週の気象データです。年間の最高気温は8月の上旬で、その最高値が31.4℃でした。これなら凌げる気温ですね。と言うことは平年の最高気温の数値はもう過去の遺物のごとくになってしまったのでしょうか。この暑さにしょげること、しきりです。
講演会「北アルプスと安曇野の生い立ち」
今日は安曇野市明科地区の交流学習センターが主催する題記の講演会にうちのオバはんと行ってきました。講演者は市立大町山岳博物館の専門員の方で、日頃の研究の成果を聞くことができました。北アルプスの生い立ちは500万年前に誕生した飛騨山脈が250万年前に始まる第1隆起と150万年前からの第2隆起によって雄大な山脈になったとのことです。その当時は関東平野は海中で、今の長野県も北部は信濃湾と言う入り組んだ海岸に接していたようです。確かに白馬方面には貝塚などが発掘されたりして、海にちなんだ地名があるのも頷けます。安曇野の生い立ちは北アルプスの形成以降に今の明科付近にある山の狭窄によって、川の土砂が堆積して松本平の広大な大地が誕生したとのことです。いずれも悠久の昔のことですが、地球の誕生の歴史からはごく最近の現象のようです。例えば、地球の歴史を現在まで1年間とすると、北アルプスの誕生は1年の中で大晦日の午後のひとときほど最近のことだと聞き、大いに驚きました。また、北アルプスや安曇野の生い立ちは30年ほど前にはまだよく解明されていなかったようで、日頃の研究で最近になってそのメカニズムなどが分かってきたとのことです。何が悠久で何が瞬時なのか、これまた時間の観念が途方もなく混乱した感を覚えました。