昨日発表となった芥川賞と直木賞は下表の通りです。芥川賞補作の中から3作品を読んで印象に残ったのは賞を獲得した「百年泥」です。下馬評では評価がイマイチで賞から漏れるのではないかと思っていました。見事受賞の報に接し、まるで身内のように喜びました。この受賞作は作風が斬新で他を寄せ付けない面白さでした。もう一つの受賞作はまだ読んでいませんが、少し前から図書館予約していて月内には借りられると思います。一方、直木賞の方は候補作の中の「火定」を今、読んでいます。受賞作は図書館予約の順位が筆頭なので、近く借りられると思っています。余談ながら、ノミネート段階で借り出せなかった候補作は全て図書館予約を入れましたが、さすがに全てを読破するのはシンドく発表後は予約した幾つかをキャンセルしました。それでもしばらくは読書三昧に明け暮れそうです。
前田司郎「愛が挟み撃ち」を読んで
芥川賞候補の作品を先週来読んできたが、本日3つ目を読み終えた。割とストーリーのあるまともな内容だったが、男女恋愛のどろどろとしたもので、読後の爽やかさはなかった。ところどころ研ぎすまされた文章に出くわし筆者の力量を垣間見て、賞にノミネートされたことを納得したが、私好みの作風ではなくトリッキーながら通り一遍、と言った感じだった。本日、あと数時間で芥川賞の発表となるが、気になる結果とその感想は明日以降のブログに記したいと思っている。
今日はグループで野沢温泉スキー場
木村紅美「雪子さんの足音」を読んで
講談社の月刊文芸誌「群像」9月号に掲載された題記の小説を読んだ。前回投稿した読書カテゴリーの延長で、本作品も明後日、1/16発表の芥川賞の候補作だ。160枚の中編は雑誌にして上下段の50頁に相当し、ほぼ1日で読む量だった。感想を一言で言うと、退屈な本だ。主人公が学生時代に過ごしたアパートの大家さんの訃報に接し、過去にアパートの住人と共々過ごした日々の出来事を回想したもので、ドラマの盛り上がりに乏しく、ほのぼのとした純文学のしっとりさも感じられない内容だった。以前に読んだ「芥川賞の偏差値」と言う本で、賞を射止めるのは『いかにもうまいという風に書いて、かつ退屈であること』が重要としていて、本作は退屈さだけはいい線をいっていると思った。本著者は過去にも芥川賞候補にノミネートされたこともあったようだが、今回はどうなることやら..。
石井遊佳「百年泥」を読んで
掲題の本は今年前半の芥川賞候補の5作品の中の一つだ。インドを舞台に日本語教師の主人公がよもやま話を綴った内容は私小説のようだった。大洪水の後に主要な橋を渡り始め、渡り終えるまでの間に去来した想いが時空を超えて勝手気ままに描かれている。その多くが実際に体験したり見聞した内容をもとに描かれているが、どこまでが本当で、どこからが虚構や作り話なのか判然としない。この曖昧さに加えて筋の通ったストーリ展開がなく、読者は嫌気がさすか、氾濫する話に返って面白味を覚えるかのどちらかだろう。私は後者で、けったいな小説に飽きることなく面白く読めた。一例を挙げると、通勤ラッシュを避けて鳥人が如く滑空する会社エグゼクティブは当然作り話で、駆け落ちしたカップルを出した家族は世間からのけ者にされてさげすまされるため、その家人は名誉挽回でカップルを探し出して殺害する「名誉殺人」は今だ絶えず、加害者は罪に問われることは稀、というのは本当の話なのだそうだ。筆者は50代の女性で、洗練された文体はとても新人とは思えなかった。
今年のピアノレッスン(その2)
題記に付き、先日のブログの続きです。今年の課題曲として、「エリーゼのために」を念頭にちょっと調べてみました。YouTube動画にはチュートリアル形式のピアノレッスンが幾つかあり、その中で参考になりそうな動画を集めてみました。右の画像をクリックすると、関係先の動画にリンクするように設定しました。何やら、「楽譜が読めなくても」「必ず弾ける」などのタイトルが付いていて、誰でもが弾けるようになるような錯覚を覚えます。でも最初の方の動画はともかく、後半はかなり難しそうです。まあ、じっくり時間をかけて少しづつトライしてみようかと思っています。この曲、結構、奥が深そうな感じがしてきました。途中放棄することになるかも知れませんが、今年の課題曲にすることにしました。
病院で大腸内視鏡検査
私ごとで恐縮です。今日は病院で大腸ポリープを切除する内視鏡検査を受けました。一昨年の定期検診で再検査となり、その年末に内視鏡でポリープが見つかって1年後の年初、経過観察に合わせてこれを切除することにしました。日帰りの検査で切除は無事終わりました。切除時は痛みを伴わないと言われましたが、切除時とクリップで止血止めする処置時は腸内の患部で痛みとは少し違う感触がありました。後から出来た腫瘍の一種なので付着物の異物撤去的に思っていたのですが、そうではなく確実に自分の体の一部を切り取られた感覚と傷口に新たに治療が施されたインパクトを覚えました。切除回収されたポリープを見せられたので、これを持ち帰りブログネタの添付写真にでもしようかと一瞬思いましたが、これから病理検査して良否判定と今後の加療判断をするとのことでした。そのことをうちのオバはんに言うと「なんてバカな、そんな写真はキモくてブログ炎上するよ」とケンモホロロでした。と言うことで、今日のブログは写真抜きです。
気になるこの先の気温
このところ天気が安定しない日が続いています。今日の最低気温は-0.2℃と3月下旬並みの温度でした。今現在は寒気団がやって来て、日本海側や西日本はこれから大荒れの雪模様のようです。ここ安曇野は比較的に穏やかで、今週末も雪は降りそうにありません。そう言えば、今シーズンは雪らしい雪はまだ降らず、雪かきもしていません。気になるのは気温で、今度の週末はかなり冷え込みそうです。今シーズン通しで最低気温は1/4の-8.8℃でした。右の画像はたまに見るお天気サイトの情報をコピーしたものですが、今週末の気温予測では1/14(日)の最低気温が-14℃になっていました。過去に-15℃レベルの最低気温は経験しましたが、果たして今週末はどうなりますやら..。
高杉良「めぐみ園の夏」を読んで
筆者は経済小説の大家で、この本は本人の幼年期のひと時を描いた自叙伝だ。この作家のファンであれば、目から鱗にして読むところだが、私にとっては初めての小説で、こんなものかと思った。両親が離婚して、孤児院で不遇な生活をした体験を綴っている。本人の努力で明るく振る舞い周りの人を惹きつけて温かく心が触れ合うのがこの本のキモのようだ。戦後間もない頃の貧困な時代により貧しい生活が強いられているが、とても健康的で何か遠い昔のノスタルジックな想いに駆られた。登場人物との触れ合いが生き生きと描かれる中で、主人公の賢さ、誠実さ、人懐こさが読者を惹きつける。が、自叙伝にしてはあまりに品行方正で出来過ぎくんに描いていて、著者本人は気恥ずかしくないのか、と思ってしまうのは私だけだろうか。
今年のピアノレッスンは...
年も明け、今日はすでに成人の日です。あいにくの天気でしたが、今日は初々しい成人の姿を目にしロートルにとっても気分が一新する心地でした。ところで、我がピアノ・レッスンも気分一新し、新たなチャレンジといきたいところです。昨年の課題曲、ショパン・ノクターン第20番は未だ完成の域に達していませんが、それでも無謀にもレパートリーを増やしたく、次なる課題曲を物色中です。我流のレッスンも丸5年が過ぎようとしているのに、まともに弾ける曲もなく佗しい限りです。が、大作曲家の名曲の雰囲気に多少でも触れられれば、とやってきました。最初がバッハ、次にモーツァルト、そしてショパンと課題曲を増やしてきましたが、次はやはりベートーヴェンではないかと思っています。でも、とても敷居が高くどれも弾けそうにありません。挑戦できそうな曲を敢えて挙げると、上の画像に示した3曲位でしょうか。YouTubeからプロの演奏にリンクさせましたので、ご覧ください。動画の指使いを見て、3曲の中から選ぶも何も「悲愴」と「月光」は私の小さな手では埒が明きそうにありません。指を目一杯開いて1オクターブの和音にさらに同時に音を重ねる指使いは到底無理なのです。何せ、私の手は一般の女性の手よりも小さく挑戦する曲は極々限定されることをまたしても痛感させられました。残るは「エリーゼのために」ですが、果たして挑戦可能なのかもう少し、様子を見ることにします。