篠田節子「インドクリスタル」を読んで

前回の読書で記した中島京子の「長いお別れ」を読み終えた頃、この作品と題記の本が中央公論文芸賞に同時受賞したことを新聞で知り、偶然か何かの縁にあやかって掲題の本を借りて読んだ。”広大で混沌としたインド”を舞台に、多彩なエッセンスを織り込んだ力作はスケールが大きく、読み応え充分だ。上下2巻で540頁のボリュームは長大だが、読み進むうちにぐいぐいと引き込まれハマってしまった。目まぐるしくストーリが展開し終結していくプロセスはハラドキもので面白く、エピローグではこれはどうなり、この先あれはどうなるだろうかの期待まで応えて、最後まで楽しませてくれた。著者の筆力の凄さに魅せられた作品だった。

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OMF、CD・LPレコード コンサート(その2)

20150906先日、出かけて当ブログに記載した掲題のコンサート、今日はその最終回に行ってきました。本日メインのCDプログラムは右の写真にあるベルリオーズの「幻想交響曲」です。昨年の松本フェスティバルで演奏されたこの曲がCDとなり、イベント用の大型オーディオセットで試聴しました。洗練された見事な演奏でしたが、どうしてもミュンシュ指揮のパリ管が逐次トラウマとなって現れ、なかなか感動まで至りませんでした。小澤征爾の同曲CDは今回で5枚目になるそうで、ご本人談では今までで最高の出来だ、というのと約2割引きの特別価格(¥2,500)だったので一応、購入しておきました。本日のCDコンサートでは前回と同じ司会者に加え、フェスティバルの実行委員長や本CDのレコーディング・プロデューサーのお話も聞けました。セイジ・オザワ松本フェスティバルは知名度やオケの実力も上がってきており、いずれはザルツブルグやバイロイト音楽祭並みの国際レベルを目指す計画とのことでした。CDも今年、Seiji Ozawa Recordingsと言うレーベルを立ち上げ、このCDが第1号だそうです。
ところで、本日は1ヶ月に渡って開催中のOMFで、メインプログラムのブラームス「交響曲第4番」の演奏日です。3ヶ月前のチケット販売開始に合わせて、実はこのチケットを狙ったのですが、販売直後の10:00には完売で敢えなく撃沈されました。ところが、今日知り合った人の話では、なんと当日券がこのホールで販売されて朝5時頃から並んだ100人ほどの人はもれなくチケット購入できたのだそうです。3ヶ月前の発売日は前日からテント持参で長蛇の列ができ、おまけに大雨にも祟られた新聞記事がありました。実は隠れたチャンスがあったのですね。遠路から来た情報通の人は「地元の人は毎年、当日券を買うに限る」と言ってました。

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新潟県、燕・三条市

20150905-2久しぶりに朝から好天気となった今日、うちのオバはんがかねてから行きたいと言っていた、新潟県の燕市・三条市に行ってきました。およそのルートは右の図のように約450kmの周回コースで、午前5時半に出発して午後6時に戻りました。まずは北上して糸魚川から海岸線に沿って、上越市、柏崎市を通って現地に到着し、帰りは南下して長岡市を通り小千谷市、津南町、栄村から飯山市まで一般道をひた走り、最後のみ飯山から安曇野まで高速を使って帰宅しました。今回のお目当ては燕・三条の地場産業を見ることで、およその雰囲気を知り、気に入ったテーブルウェアをお土産に買ってきました。現地の新幹線駅はちょっと寂しい佇まいでしたが、道路や商業施設、オフィスや工場などは思ったよりも活気があってモノづくりの古き日本がまだまだ健在している感を強めました。以下の写真で左はランチで使ったカトラリーです。レストランが企画したサービスで、自分で選んだ食卓器具の使い心地を比較することができ、私が選んだ右の3本セットは日本最古のデザインで90年以上、愛用され現代に受け継がれたものだそうです。右の写真は物産店内の1コマ風景で、金属加工の様々な品とデザインを見歩くのは楽しく、久しぶりにワクワクしながら闊歩しました。

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冬野菜スタート

20150904我が菜園も夏から冬野菜への切り替え時機で、うちのオバはんはセッセと種蒔きを始めました。今日は第2回目の大根の種を蒔いたとのことで、写真の一番下の9箇所です。その上の2列が10日ほど前に蒔いた大根で、12箇所で芽がでました。長ネギの先の上方にはサラダほうれん草とレタスを蒔きました。大根は作り過ぎではないかと、はた目に思うのですが、これからどうなりますやら..。

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OMF、CD・LPレコード コンサート

20150903今日はセイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)の主会場、キッセイ文化ホールの3階で開催されたオーディオ鑑賞会に行ってきました。OMFのイベントの一つとして8/28、8/29、9/3、9/6の計4回の鑑賞会が企画され、今日は3回目のLPレコードを聴きました。入場無料で会場には写真にある背丈ほどの大型ホーンスピーカーが設置され、懐かしのレコードプレーヤと真空管アンプで見事な音が再現されました。小澤征爾氏も以前に試聴されて、生演奏に匹敵する音質・音量は生とは一味違った音の芸術だと評したようです。確かに目を閉じるとあたかもコンサートホールでの生演奏を聴く思いがしました。司会・進行役はサイトウ・キネン・オーケストラ発足以来の録音コーディネーターを担う新(あたらし)氏で、プログラムはヴィヴァルディの「四季」とドボルザークの「新世界」でした。両LPとも小澤征爾がタクトを振り、新氏がフィリップス社時代に録音に立ち会ったものだそうで、当時の録音の裏話も聞けました。こんな凄い催し物がタダで楽しめるとはラッキーでした。最終回の9/6は小澤征爾の十八番、ベルリオーズの「幻想交響曲」が再生されるとのことで、また出かけてみようかと思っています。

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ポインセチア、短日処理スタートです

20150902冬場の昨シーズン、モノトーンの室内をカラフルに和ませてくれたポンセチアは今も健在です。今年は更に大ぶりになりましたが、この9月から短日処理を始めました。午後5時から午前8時まで、今年は物置内にしまい、日中は移動させて陽に当てるようにしました。写真中央の丸く切り出したものは昨年末に撮ったもので、短日処理が効を奏せば今年も色艶やかになると期待しています。鉢の日々の移動、これからまた長い2ヶ月間が始まりました。

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過ぎ去りし8月

前半の異常な暑さと後半の異様な涼しさが同居した8月も終わりました。あまりの変わりようを定量的に見ようと、この地、安曇野・穂高の気象データを検索して調べ、Excelシートでグラフ化してみました。今年8月の日々の気温と降雨量を過去30年間の平均値と比較したのが以下のグラフです。8月10日頃までは先月からの猛暑で日照り続きのカラカラ天気でした。ところが後半は気温がぐっと下がり、雨の日が多くてまとまった降雨量となりました。過去30年平均で、日々の降雨は3mmほどで例年8月の総雨量は93mmなのに対して、今年は結局171mmの降雨となり、例年の倍近く降りました。猛暑にうだされた頃、こんな様変わりを誰が予想できたでしょうか。膨大な気象データとそれを解析する能力は日進月歩で進化し続けているのでしょうが、現実の自然現象はまだまだ予測できないことを痛感した8月でした。20150901

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健康寿命、世界一

20150831先日の新聞に掲題の記事がありました。日本は男女ともに世界一の健康寿命国なのだそうです。健康寿命とは、私にとって馴染みがなかったのですが、病気などで日常生活が制限されることなく、自立的に生活できる期間のことのようです。先日読んだ本の「長いお別れ」を思い出し、健康寿命の意味合いが深刻に伝わってきました。世界一なのは喜ばしいのですが、統計データの数値を見て、何とも心細い我が身の現実を思い知らされました。

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OMFふれあいコンサートⅡ

20150830本日、セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)の題記のコンサートに行ってきました。今年6月の初めにチケットのネット販売で購入したコンサートです。小澤征爾・出演のコンサートは即完売で買えなかったのですが、今日のコンサートもチケット発売の初日にすでに最後列しかなかった曰くつきのもので、隅々まで正に超満員の盛況でした。何とも昨日は最前列、そして今日は最後列にハマりました。前半の部はOMFオーケストラ・首席フルート奏者のジャック・ズーンを中心とした室内楽、後半は同オーケストラの金管と打楽器によるアンサンブルでした。何がふれあいコンサートなのかよく分からないのですが、後半にはステージ上に椅子が並べられて40人ほどの一般人が目の前の演奏を楽しんでいました。前半の演奏も大喝采でしたが、後半のアンサンブルは12名の構成ながら、鬼気迫る迫真の演奏で館全体が揺れるが如く鳴り響き、終演するや2階席のほとんどの人が立ち上がって熱狂するほどでした。何せ、後半の金管はカジュアル曲が多く、映画のスーパーマン、インディージョーンズ、そしてスター・ウォーズのダース・ベイダーまでが登場したのですから..。クラシックのはずが、血が踊り久しぶりに興奮したコンサートでした。

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アンサンブル藝弦コンサート

今日は市政10周年記念と題した掲題のコンサートに行きました。いつも行く図書館に併設されたホールで催されたコンサートはいつもと異なる全席指定の夕刻からの会で、満席の盛況でした。演奏者はヴァイオリニスト井上將興氏を含めた門下生で16人ほどのフル弦楽器の構成でした。プログラムは

  • ロッシーニ 「弦楽合奏のためのソナタ No.3」
  • B.バルトーク 「ディベルティメント Sz.113」
  • チャイコフスキー「弦楽セレナーデ Op.48」

小編成の弦楽でしたが、最前列で聴くとかなりの迫力で久しぶりに生のアンサンブルのハーモニーに酔いしれました。(今日の投稿は画像なしで、恐縮です)

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