掲題の本はこの春先、新刊図書として貸出しが殺到していたが、ようやく予約せずに借り出せて読んだ。今野敏は初めて読む作家だが、容易な文体で読みやすく迷うことなく一気読みした。新人警察官がSATの精鋭に成長していく姿を描いたもので、山場や緊迫した場面もなく、ハウツー本の解説書のようで、警察組織の内側の世界をああそうなのと受け止めるうちに読み終えた。メリハリがなくちょっと、期待はずれの本だった。
今野敏「精鋭」を読んで
ハイク簿「志賀高原2015」
一昨日の志賀高原ハイキングで収録した画像の一部をWeb登録しました。各画像をクリックして拡大してみてください。PCのデスクトップ背景にも貼れるよう解像度(1920 x 1080)を合わせました。10枚の写真で、最後の2枚はうちのオバはんが撮影しました。
#1【撮影時間】7:40
この日の出発地点は硯川(ほたる温泉)、7時半始発の前山サマーリフトに乗り前山山頂に到着しました。ここからの風景は右に笠ヶ岳、その左は熊の湯スキー場です。
#2【撮影時間】7:46
歩き始めて5分ほどで渋池に到着です。湖面に映る樹木は鮮やかに逆さ写しとなって神秘的な美しさです。遠くに見えるは横手山で、風もなく晴れ渡った1日が期待できそうです。
#3【撮影時間】8:27
歩くこと、こ1時間で四十八池に到着。観光パンフレットでもお馴染みのフォトスポットで、木道の先に見えるは志賀山です。標高差はさほどありませんが、今回は登らずに通過しました。
#4【撮影時間】9:07
四十八池からおよそ1時間半で、眼前に大沼池が見え始めました。緑がかったコバルトブルーの池は青空とは違った色合で、これに周りの森林が織りなして、みごとな色の競演です。
#5【撮影時間】9:42
大沼池に到着し、しばしの休憩です。池のほとりには大きなダケカンバの木があって、まるで周りの景観を自慢しているようです。うちのオバはんの小さいこと。
#6【撮影時間】11:07
大沼池からおよそ1時間半で、赤石山(2108m)に到着しました。振り返ると、大沼池の向こうには北アルプスの山々が見渡せます。時間帯がもう少し早ければ、沸き立つ雲も少なかったでしょう。
#7【撮影時間】11:17
赤石山山頂からズームアップした写真です、三角形の山、笠ヶ岳の先には雲の切れ間にほんの小さく槍ヶ岳が見えました。さすが天下の名峰はどこにいっても見えて存在感、抜群です。
#8【撮影時間】12:59
赤石山で昼食を済ませ、元来た道を戻らずにそのまま進み、北への縦走です。1時間半ほど歩くと、稜線の向こうに寺小峰が見えてきました。遥か右奥は岩菅山へと続き、今度はあの山に登ろうかと魅入られた稜線です。
#9【撮影時間】15:11
寺小屋を踏破し、ハイキング終盤は東館山の山頂に到着しました。山頂にある高山植物園にはニッコウキスゲが咲き誇っていました。名物の玉子ゴンドラが空に舞い、東館山天空コースも今や本番です。
#10【撮影時間】15:35
東館山山頂からはリフトに乗って下山しました。写真はゴールの高天ケ原から東館山の山頂を振り返ったものです。本日のハイキングコース全12km、およそ8時間の道のりでした。
ミニトマト、三色揃い踏み
志賀高原、健脚コースを歩きました
あづみの新進音楽家公開オーディション
本日、よく行く図書館・ホールで掲題のコンサートがあって、聴いてきました。昨年と同様、地域の若手音楽家の登竜門として、選任審査員による音楽コンクールです。今年は市政10周年の記念行事と銘打ち、昨年の有料から入場無料になりました。定員200名の会場はおよそ8割ほどの人で埋まり、ピアノなどの器楽独奏と独唱など全8組の演奏があり、若々しい音に触れることができました。去年との違いは一般客からのアンケートが今年は無くなり、ちょっと残念でした。ひょっとして去年、さんざヘボコメントを書き込んだのが裏目にでたのかな〜、などと勘ぐりました。後日、発表される上位入賞者はこのホールで開かれるコンサートに複数回、招聘されるとのことです。大した特典ではなさそうですが、若手にとってはよい刺激になるようです。以前に読んだ本によると、日本では売り出しのための自腹コンサートが広く実施されますが、欧米では興行プロモートされたコンサートのみで、自前コンサートは存在しない文化なのだそうです。ところ変われば...、ですね。
横山秀夫「クライマーズ・ハイ」を読んで
今月のテレビ放映で、2008年公開の掲題タイトルの映画を見た余勢に原作の小説を読んだ。原作は1985年の日航ジャンボ機の墜落事故から18年後、当時の地方新聞の記者であった著者が体験し実際に墜落現場も取材したと言う、この事故を題材に書かれた。地方新聞社が未曾有の大事件に取り組んだ様を回想録風に描いた作品だ。熾烈なスクープ合戦、新聞社内の派閥抗争、友人の病、親子のすれ違いなどが臨場感たっぷりに描かれ、読み応え十分だ。ジャンボ機墜落がメインの小説だが、主人公が泥臭く記者魂の信念を貫抜こうとする中で、もがき苦しむサラリーマンの生き様が最大のテーマになっている感がし、映画とはまた違った趣きがあった。
日航事故から今年で30年となる。個人的には、事故当日(1985.8.12)、会社の職場で催された洋上暑気払いの船上で見た東京湾上空を旋回する飛行機の中にまさに、当該機があったであろうことをその後も長く記憶の隅に止めていたことが蘇り、そして郷里の群馬の地名がそこここにちらばめられた小説を読んで、何とも懐かしい想いがした。
大募集、図書館川柳
一喜一憂の天気
黄色のミニトマト、登場
小林公二「アウシュヴィッツを志願した男」を読んで
戦後70年。日本では靖国神社や慰安婦などがいまだ尾をひく問題だが、ナチの残虐無比な史実もこれを暴く新刊本がいまだよく出回る。この本も著者が日本人でこの春に発刊された。ドイツ占領下の悪名高きアウシュヴィッツに潜入し、脱出したポーランド軍人を描いたノンフィクション形式の記録だ。アウシュヴィッツについては、関連図書を読んだこともあっておよそその実態を知っているつもりでいたが、以下のことなどは初めて知った。
- 収容所内にポーランド軍による地下組織があった
- 収容所内では家族からの送金や小包も認められていた
- 所内では売店があり、タバコやサッカリン、ピクルスなどを収容者が購入できた
本の帯には「殺戮の真実」などと書かれていて、収容所での残酷な描写も多い。タイトルからはアウシュヴィッツに終始されがちだが、潜入の記録は本全体の3分の1ほどだ。残りは、その後のワルシャワ蜂起と挫折、スターリンに支配されたポーランド政府内での抵抗と逮捕、みせしめ裁判と続き、不遇の最期で終わっている。本の副題が「ポーランド軍大尉、三度死ぬ」とあり、ナチとスターリンの全体主義と戦い、最期はポーランド傀儡政府との戦いで負けた誇り高きポーランド人の生き方を描いている。まあ日本人がよくここまで書けたものか、と思う労作だ。