文芸誌で話題の題記2冊を図書館の新刊コーナーで運よく見つけ、早速借りて読んだ。
「穴」は1983年広島県生まれの女流作家の小説で、本年1月に150回芥川賞を受賞した。平凡な日々をおくる主婦の淡々とした生活模様が途中から不可思議な出来事に切り替って現実の生々しさの中に怪談ものの様相を呈していく内容で、断片的な物語で終始している。結局、テーマや主張が見えずによく解らない小説だった。
「カノン」はペンネームを二つ持つジャーナリスト兼作家の作品で、学生時代に別ペンネームで文壇デビューして以来30数年振りに執筆したもののようだ。文芸誌、書評には “身が震えるほど感動的な新生ドラマ”とあり、読みはじめたところスリリングな展開に身の毛がよだち一昼夜にして読み終えた。近未来を想定した生体・脳間(海馬)移植をテーマに家族愛や生命の尊厳を捉えたSF的実験小説の類いだ。設定はあまりに現実離れしたものだが、緻密に組み立てられたストーリが読み手を釘付けにし最終章は目もくらむほどの展開で感動ものだった。ここ1年での読書を通じ、1番のお勧め本だ。
小山田浩子「穴」、中原清一郎「カノン」を読んで
我が家の花たち
シーズン初の芝刈り
美ヶ原、周遊ハイキング
夏野菜も佳境です
田植えも佳境
アウトレット、スーパー「ツルヤ」、丸山コーヒー
題記の3つのキーワードで、とある地域を連想された方はかなりの「軽井沢」通と思います。まあ、これもブログ人の独りよがりな感覚ですが、本日は以下写真にある軽井沢方面に行ってきました。連休の人出は凄まじく、朝方は何とかたどり着いたものの、昼には軽井沢に向かう車は大渋滞で、帰りの北上で見る反対側の車線は数十キロに及ぶノロノロ運転で全く気の毒な限りでした。
アウトレットは数千人レベルではない規模の人出で、東京ディズニーランドが如くよくもまあ人が集まったものだ、と感心させられました。国道沿いにあるスーパー「ツルヤ」軽井沢店は長野県内のチェーン店の一つですが、他店とは別格のようでした。駐車場に陣取った車はほとんどが県外で、何ゆえスーパーにまで繰り出すのか、不思議でした。売っている品も他のツルヤとは違った装いで、ワインなどは4〜5千円のボトルがゴロゴロしていました。写真にある「丸山コーヒー」は軽井沢店ではなく帰りに立ち寄った小諸店ですが、広い店内では順番待ちの人で溢れていました。待ち時間中に店のディスプレイを見て、全日本チャンピオンだの世界第何位だの強者のバリスタ達が店内にいることを知り、気軽に注文するのをためらう気にさえなりました。
思うに、軽井沢地方は信州にはない首都圏の雰囲気をそのまま持ち込み、同じ文化圏を装った妖怪地域のような錯覚さえし、久方ぶりに気疲れした一日でした。まあ、田舎暮らしにどっぷり浸かった能天気なブログ人にとっては、たまには刺激のあった方がよいのかも知れませんね。
戸隠の水芭蕉
5月連休、桜便り
中島京子、その後5冊を読んで
今日は4月の最終日、今月の読書は先月に引き続いて題記作家の以下の5冊を読んだ。
『FUTON』
中島京子のデビュー作で、田山花袋の小説、「蒲団」を書き直して当時の古式豊かな恋愛ものと現代のハチャメチャな恋愛劇が交互に個別展開される長編もの。書評ではセンチメンタル&知的ユーモア溢れる秀作とあったが、私には通俗すぎて馴染めなかった。
『冠婚葬祭』
タイトルにちなんだ4つの独立した短編小説集。内容とは別に、恥ずかしながら、「冠」が成人式、「祭」が盆や法事などの祭礼を意味することを初めて知った。この小説では、「冠・婚」に相当する2編は面白かったが、残り2編は間延びして読むのが辛かった。
『平成大家族』
書評には、平成の社会問題を濃縮したシニカルな痛快小説とあったが、私には「破産家族、いじめ、ひきこもり、出戻り」が織りなすドタバタ劇は快い境地には至らなかった。
『均ちゃんの失踪』
キャッチフレーズに「一人の男を愛した女たちの物語、切なくも軽やかな恋愛小説」とあるが、まるで魅力のない中年の放浪者がモテるわけがない、と最後までそのストーリ設定が馴染めなかった。
『エルニーニョ』
逃げた先で出会った少年と、一緒に逃避しながら立ち直っていくお話。南国で児童と若い女性とのやり取りがほのぼのとして、灰谷健次郎を彷佛させるような小説で面白かった。








