深緑野分「スタッフロール」を読んで

これまた第167回直木賞候補の中の一つを読んだ。この作家の本を読むのは2冊目で、前回も直木賞候補作だった。今回も同じように、登場人物が外国人中心だ。1950年代から1970年代にかけてのニューヨークとハリウッドを舞台にした前半、そして後半は2010年代のロンドンのCGスタジオを舞台にしている。第1部と第2部では主人公が変わっているが、通して第1部の主人公が創造した映画のモンスターにまつわるストーリー展開だ。映画に出てくるモンスターの動きは第1部では実際に造形した怪物を特撮で作製し、第2部ではほとんどの映画でCGによるコンピュータアニメになっている。その辺りの映画作りのノウハウが色濃く描かれていて、私自身の趣味と重なって面白く読めた。スタッフロールとは映画の最後に流れるエンドロールで、スタッフ関係者のことを指すらしい。映画のエンドロールは長いもので5分以上、1000人もの名前が連なることもあるのに、重要な部分の造形をしたクリエーターの名前はなかなか載らず、特殊効果の制作会社名に留めることがほとんどのようだ。映画制作の裏方の内情が詳細に描かれ、映画オタクには応えられない程の刺激があると思われる。ただ、月刊雑誌の約2年半に渡る連載で冗長化していて、特に第2部のストーリー展開は間伸びした感が強かった。

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川中島共選所

今日はうちのオバはんと長野市にある川中島共選所に行ってきました。桃の直売所で、今回が初めてです。9時にオープンし、12時には店仕舞いするようで、大変な賑わいでした。ハネだし物で、訳ありの桃のみです。1箱、800円から1200円で一人2箱までの制約付きです。川中島の白桃と言ったら高級品の代名詞的なネームバリューですが、この直売所では無縁の安さでした。試しに購入して味見したところ、美味しいのやそうでないものが混在していて贈答用ではないのがよくわかりました。そして桃は見た目では良し悪しが分からず、この直売所にはない贈答用の高級品は信用ものとして売られているのだなあと実感しました。

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ナスの切り戻し

ひと頃の猛暑日から解放されて、ここ数日は最高気温が30℃前後となり、だいぶ凌ぎ易くなってきました。今日は日中でも窓越しの風に爽やかさを感じるほどで、ここ数日はエアコン要らずです。
ところで、今日のブログネタはうちのオバはんからの借りものです。我が家の菜園の夏野菜は、それはそれは重宝していて毎日の食卓が野菜ずくしです。ナスも豊富ですが、今日のオバはんは2本あるナスのうち1本を切り戻ししました。ピークを過ぎた感じなので、思い切って枝を切り落として再生を期しました。右端の写真は左のナスの木を作業中で、右に比べて枝を極端に刈り込み中です。これで、1ヶ月後くらいにはまた収穫が見込めるとのことです。当たり外れもあるらしく、担保として1本のナスは現状のままとしました。果たしてうまくいくでしょうか、結果は1ヶ月後に報告したいと思っています。

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久しぶり?の花火大会

本日8月14日は安曇野市の花火大会の日でした。コロナが蔓延する中、花火大会は今年も中止だろうと思っていたのですが、夜空に響き渡る音で花火大会の始まりを知りました。以下の写真は我が家の窓越しにとらえた写真です。いつもならば、ミラーレス一眼レフのカメラで写すところですが、そのテクニックを忘れてしまいiPhoneで写しました。30分ほどの花火でしたが、窓際でリッラクスして楽しめました。

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台風8号

本日、静岡県に上陸した台風8号、長野県では影響がありませんでした。首都圏では結構、雨も強かったようですが、安曇野・穂高では本日の総雨量は0.5mmとほとんど降りませんでした。風はといえば、ここ4〜5日は結構強くて最大風速が10m /sec以上はあったのですが、逆に今日はほとんど風らしく風も感じませんでした。予想していた台風の影響がなく、ホッとした1日でした。

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永井沙耶子「女人入眼」を読んで

今般の直木賞ノミネート作品である題記の本を読んだ。時代は鎌倉、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出てきた頼朝と政子の長女、大姫の入内を焦点にしたものがたり。大姫を入内させる命を受けて京都から鎌倉に派遣された女官の眼から見た宮中の政争、鎌倉の勢力争い、頼朝と政子との溝、政子の情に振り回される大姫が描かれている。権力闘争で粛清に明け暮れた時代で、世継ぎに絡んで多くの女性たちが歴史形成に大きな影響力を持っていたことを改めて知った。時代小説の物語を読むにつけ、どこまでが史実なのか想像することの多いジャンルだが、本作は大姫に関わるストーリーが深く掘り下げられていて、まさに歴史のミステリーを色濃く感じた作品だった。

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今夜はほぼ満月

明日、8/12は「スタージャンムーン」で、今夜はほぼ満月だそうです。英語圏では1月から12月まで、それぞれ満月の呼び名があって、8月の満月は「スタージャンムーン」と呼ばれています。スタージャンとは、チョウザメのことで、豊漁を期待して付けた名前のようです。明日の満月は午前10時過ぎなので、前夜の午後11時に写真を撮ってみました。左がiPhone、右がミラーレス一眼レフカメラで撮ったものです。ほぼ満月で、とても明るい夜空が観察できました。今夜は晴れていて、よかった!

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第167回直木賞候補作で..

図書館予約で不思議な体験をしました。今般の直木賞候補作はいまだに1冊も読んでいません。ノミネートが決まった時点では、候補となった5作品のうち1冊のみが図書館に蔵書があり、早速これを予約しました。その題名は右の表の1番上、「スタッフロール」です。他の3冊は図書館に入庫されたのを気付いたのが直木賞受賞発表の前日で、すでに貸し出されていました。その時点の7/19に予約し、貸し出しされるのを待っていました。本日、図書館から連絡が入り、出向いたところ何と3冊同時に借りることができました。2冊同時なら不思議さはほどほどですが、3冊となるとその確率は奇跡的な感じがします。安曇野図書館には今回のノミネート作は各1冊しか蔵書がなく、本日借りられた以下の3冊は読んでいた人が同じ日に返したか、別々に市内5ヶ所のいずれかの図書館に日をまたいで返却し、出向いた中央図書館にたまたま本日、取り揃ったのでしょう。何とも不思議な体験でした。ちなみに直木賞候補作の5作品のうち1作は蔵書として購入されておらず、その著者は男性でした。残り4作品、そして今般の芥川賞候補作5作品は全て女流作家だったのも意味深で、不思議さを助長した感もしました。さて返却期限の2週間で、この3冊を読めるかも気になっています。

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畑の幸

海の幸、山の幸はよく知る言葉ですが、今日は我が家の菜園から実りの話題です。今時分は夏野菜のピークを迎えていて、いろいろな収穫で潤っています。下の写真は午前中の収穫分、先日話題にした枝豆ほか、きゅうり、なす、ミニトマト、オクラ、そしてブルーベリーです。ミョウガも少しだけ採ってきました。実に豪華です。きゅうりは朝だけで6本、夕方もまた採れます。枝豆も大きなボールにいっぱいで今日1日ではとても食べきれません。嬉しい限りを通り越して、嬉しい悲鳴のこの頃です。でも、鮮度抜群が何よりですね。

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山下紘加「あくてえ」を読んで

先の第167回芥川賞候補作で題記の小説を収録雑誌の中から読んだ。今回の候補作は5作品とも女流作家によるもので、全作品を読み比べると本作は受賞作と似た感じを持った。日々の生活の中で織りなす人間関係の人物や性格の描写がうまく、いかにも女性的でもある。小説家志望の主人公、母親、「ばばあ」(本の表記)の日常を描いていて、題名の「あくてえ」とは、悪口や悪態といった意味を指す甲州弁のようだ。主人公と祖母がお互いに悪態を付きそれを母が取り持つと言ったストーリー展開で、要オムツにして我儘放題で悪態を付く祖母を気丈に世話する実子ではない母の健気さが目を引く。元凶は不倫して出て行った父親なのに、たまに顔を出して祖母と父親が仲まじく描かれる様は怒りをも買う。介護地獄に献身的にひたすら尽くす母と祖母と孫との壮絶な悪態合戦がエンドレスで続き、その凄まじさに圧倒された。総じて本作が受賞してもよかった感じがした。

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