この週末、泊まりがけで所用で神奈川県、横須賀市に行ってきました。我が現役時代、38年間暮らした街です。安曇野に引っ越して以来、実に10年ぶりの帰還です。やあ、変わっているような変わっていないような妙な気分でした。昔の記憶にBack to the futureで、とても懐かしいの一言です。でも2日間とも快晴で、三浦半島をほぼ半周しましたが、陽気はまるで春でした。往復約500kmの小さな旅で、本日午後8時に家に戻ると一転、冬に舞い戻りました。これも浦島太郎でしょうか。竜宮城から戻ってきた感じで、歳も取りました。
- 横須賀中心地
- 駅前デッキ
- 駅前メインストリート
- 電柱のない街
- 小綺麗な路地
- 唯一のデパート
- ホテルからの眺め
- 基地の街、横須賀




































今般の直木賞候補の一つだった題記の本を読んだ。ジャンルは警察サスペンスのようだが、スリルや謎解きの部分はなく戦後間もない頃の事件捜査がコミカルに描かれていて、痛快だ。そして何よりも時代設定が終戦直後の政治・社会情勢の史実をあますことなく浮き彫りにしていて、歴史小説を読む思いがした。また、戦中の悪名高き特高警察のイメージから脱却して戦後の民主警察に至る過程がいかに大変であったかをあらためて知った。自分の生まれた頃の世の中がどれほどに混沌としていたか、今にして大いに興味が湧いた。ストーリー展開はよく練られていて、読み進むほどペースが上がって面白かった。歴史小説の如きながら、面白さは抜群でまさにエンタメ小説の代表格のような思いがしたのは多分に、大阪弁のオンパレードからくる所業かも知れない。









今般の芥川賞候補作の一つである題記作が収録された雑誌「文學界」を通してこの作品を読んだ。筆者は元自衛官で確か一昨年にも芥川賞候補となっており、今回のストーリーも戦場ものだ。北海道にロシア軍が上陸して地上戦を繰り広げる内容で、戦争に至る背景や高所対処の状況説明は一切なく、最前線の主人公の体験をただひたすら三人称的表現で描いている。戦闘のリアルさはひしひしと感じたが、指揮命令の伝達方法の幼稚さや肉弾戦の有様などは今のゲリラ戦の延長上に終始した感がした。今現在、もし大規模な侵略戦争となれば、今回のような地上戦のあり方とはだいぶかけ離れる気がして、本作がとても偏った創作であることが否めず、全体を通して馴染めなかった。



