昨日の名画に触発されてのブログで恐縮ですが、題記の事件をご存知でしょうか。その昔、1968年11月上旬より京都国立近代美術館で開催されていた「ロートレック展」で、最終日の12月27日に目玉の名画「マルセル」が忽然と姿を消した事件です。当時、日本史上最大の美術品盗難事件として世間を騒がせました。結局、7年後の時効成立直後に現品が見つかったものの、犯人検挙には至らず真相は謎のままです。この事件、忘却の彼方のようですが、私にとっては忘れがたきものです。実はその当時、高校の修学旅行が「京都・奈良」で、自由行動の合間にこの展覧会を見ました。その後、1ヶ月ほど経って盗難事件となり、大いに驚きました。ついでながら、その時に泊まった京都の宿屋が事件のあった12月に食中毒事件を起こして、全国ニュースにもなりました。何とも、懐かしい想い出です。
名画「マクセル事件」
名画 最高額
八方尾根に行きました
薪ストーブの焚き付け
朝焼けの山
今朝7時前の安曇野・穂高はマイナス10℃で、添付は窓越しに撮ったその時の写真です。快晴の空をバックに山が朝日を浴びて赤みを帯びています。日替わり風景の常念や蝶ケ岳ですが、今日の姿を見てちょっぴり得した感がしました。北の白馬山系も終日、晴れ渡って見事な眺めでした。外気温は正午近くまで零下でしたが、風もなく柔らかい日差しに寒さも和らぎ、過ごしやすい1日でした。明日の最低気温は今日よりも5、6度上がるようです。冬の日、1日1にちが変化し、その刹那に飽きない日々です。
小野正嗣「九年前の祈り」を読んで
先月の選考で芥川賞に選ばれた題記の本を読んだ。本の帯には「九年の時を経て重なり合う二人の女性の想い。痛みと優しさに満ちた〈母と子〉の物語」とあり、文芸各紙が絶賛していた。が、とてもそのような感触はなく、不思議な本だった。短編でなく長編でもない中編で、手頃なボリュームは2〜3日で読めると思ったが、捉えどころのないストーリを理解することに難渋し、脈略を追って読み進んだり戻ったりと、読破に1週間を要した。結局、感動も読後の心地よさもない辛い読書だった。芥川賞は文芸の先駆性や文体の瑞々しさなどを優先評価する傾向のようで、今回の受賞作も奇をてらったスポット作の感が強く、馴染めなかった。
サイトウ・キネン・フェスティバル 松本
昨日の地方紙面に小沢征爾が県知事と松本市長を表敬訪問した記事があった。題記の主催者である小沢征爾は今年から名称を「セイジ・オザワ松本フェスティバル」に変えて、更に地域に密着した活動を展開していくことを表明した。記事内容からは逸脱するが、サイトウキネンもいよいよ征爾、本人名を冠した組織になるようだ。そもそものスタートは征爾の恩師、齋藤秀雄を偲んで結成したサイトウ・キネン・オーケストラの活動の場を松本市に選んで、1992年に始まった夏のフェスティバルだ。ブログ人は今だ、このフェスティバルの生演奏を聴いたことはない。こちらに引っ越す前にチケットをインターネットで購入しようと、発売日の発売時刻に合わせてログインを試みたが、瞬時の差で購入できなかった記憶がある。期間中のメインプログラムは超人気だ。あれから5年以上は経過したが、爾来得たこのフェスティバルの情報を記すと、
- 松本の地を選んだのは、征爾が大都市以外の場所にしたかったのと、松本に新規建設されるホールがオペラもできる本格的なもので、征爾の追加仕様を積極的に取り入れる設備側(県)の熱意があった由。
- 当初のオーケストラは恩師の弟子を中心とする構成だったが、今や関係なく世界中から趣旨を理解し征爾に協力を惜しまない名手達が大勢、参画するようだ。
- 天皇陛下はこのフェスに2回ご鑑賞された。初回はご宿泊のホテルに征爾がお礼訪問して立ち去る際、陛下も同じホテルの階下で実施されている打ち上げ会に出席しようとして、侍従に足止めされたエピソードがある。