本のタイトル名に惹かれて読んでみた。そのストーリに触れると、どう書いてもネタバレとなるので、ここではなるべく控えるようにしたい。最初に出てくる僧が一体何者なのか要と知れず、じれったいほどの書きぶりだが、やがて物語の中核となって展開していくくだりは、まさに本を読む醍醐味だ。ところで、織田信長が本能寺で光秀の謀反と知ったときに言った「是非に及ばず」という言葉は余りにも有名だ。従来の解釈では「仕方がない」と言う諦めの説が一般だが、「何、光秀の謀叛らしいかと?(それが是か非か)本当かどうか、論ずるまでもない。即刻戦え!」と言う解釈もあるようだ。この本ではこの場面の解釈が力説してあって、「(光秀よ、お前は)全く間違っている」の意としていて面白い。この本は「本能寺の変」から15年経過した後の時代を描いた物語で、実在する人々を扱った歴史小説ながら筆者の独自解釈で書かれた面白いフィクションだ。
辻大悟「信長の笑み光秀の涙」を読んで
ひまわり畑
暑かった夏はどこに行ってしまったのでしょう、のこの頃です。今日午前中、雨のない時間帯に久しぶりに自転車で近くを散策しました。写真は安曇野インター脇にあるスイス村付近で見かけたひまわり畑です。広い畑のどこを見てもひまわりの花がこちらを凝視しているようで、ハッと息を飲むほど興奮しました。安曇野にもまだ夏がありました。
玄関先の虹
長野県共通リフトシーズン券
久しぶりのノラ仕事です
だいぶ涼しくなりました
このところ雨も多くて天候不順ですが、安曇野はだいぶ涼しくなりました。安曇野・穂高の8月、今日まで3週間分の最高と最低気温のグラフを、過去30年間の平均と比べて以下に表示しました。月初めは猛暑が続きましたが、10日を過ぎたあたりから最高気温は下がり後半は例年よりも気温が下がってきています。よく見ると、最低気温は例年並みでほとんど変わらずに最高気温がかなり変化しているのが分かります。この先どうなるか分かりませんが、一頃のバカ陽気は解消されたと思っています。
小池真理子「千日のマリア」を読んで
この本は9年に亘って雑誌に掲載された8つの短編を纏めて今年2月に刊行された。恋・性・別れ・老い・死などをテーマに、そのほとんどが歪んだ男女の関係として描かれていて、独特な静寂とその景色の断片が色濃く漂う小池ワールドにどっぷり浸ることができる。ところが、美しく凛々しい文体が醸し出す数々の名場面に印象付けられたはずが、果たして読後には各タイトルを眺めて、一体どのようなストーリであったかほとんど思い出せない我が老化現象の悲哀を味わった。おまけに、表題の短編はしばらく読み進んだ後になって、かつて雑誌で読んでいたことに気づいて唖然とした。
大豆畑の草むしり
ベートーヴェン、交響曲第9番「合唱」
CDの聴き比べで、以前にベートーヴェンの交響曲第3番、6番を記しました。然らば、次なるは9番が順当かと真夏ながらの投稿です。この曲は年末での演奏会が多く、サブミナル効果がどうか私は第3楽章を聴くと無性に年の瀬を感じます。でも、年末の第9は日本だけの現象のようで、欧州では春の演奏会が多いとも聞きました。そんなかやで季節を度返しして以下に雑感を記しました。
★★
クレンペラー、フィルハーモニア響
録音:1960年6月7日
巨匠名演奏の代表格の1枚。伝統のドイツ音楽の響きはゆるぎなく重厚感たっぷりで、これぞクラシックの典型を思わせる演奏ながら、音質はモノトーンにして音の広がりやダイナミックレンジも乏しく、音楽として酔いしれない。
★★★
フルトヴェングラー、バイロイト祝祭管弦楽団
録音:1951年7月29日
この演奏は私の生まれる直前の古さだが、今でも語り継がれる歴史的名盤。なんとも気性の激しいタクトで弦が追いつかない部分もあったりして興奮する演奏だが、何分古臭さは否めない。
★★★
ヤンソンス、バイエルン放送響
2007年10月27日
「ヴァチカンでローマ教皇を前にした演奏は7000 人の大観衆を心酔させた名演」との評判で購入した。周到に準備された合唱団、国際的なソリスト、そしてヤンソンスの熱狂的な指揮、これぞ「最強の第9」とおぼしきや、バランスよく精緻で細部まで聴こえる演奏ながら、激しさや変化が乏しく、あまり感動がなかった。
★★★★
カラヤン、ベルリンフィル
録音:1977年
カラヤンの70年代の録音盤で、数ある演奏の中で一番油が乗り、安定した時期との評が多い。当時から当代随一の巨匠と呼ばれたカラヤンだが、今日ではいろいろと評価が分かれているようだ。この1枚は質の高さ、スケールの大きさ、音質などがほどよくバランスしていて「第9」の代表格の1枚と思っている。
★★★★★
チェルビダッケ、ミュンヘンフィル
録音:1989年1月20日、1995年1月4日
スローな演奏で有名なチェルビダッケ、ここでもその遅さは健在。オケに限らず合唱団もタクト通りにゆっくりと歌い上げ、壮大な合唱の連立方程式が個々にクリアに解けて聴けるような心地にもなれる。歓喜の爆発と言うよりも、どっしりと落ち着いた中からジワジワと喜びが滲み出るような演奏だ。
★★★★★
ヤルヴィ、ドイツ・カンマーフィル
録音:2008年8月22-25日、12月20-22日
「ドイツ気鋭の合唱団とともに描く壮絶なドラマは新たな世界標準だ」の触れ込みが気になって購入した1枚。軽快なテンポと力強さはこれまでとは全く違う異次元な第9のようにも思える。力強さの中にもしなやかな表現力が溢れ、最終楽章は「合唱付き」ではなく「オペラ第9」を聴く思いがした。
手持ちの「第9」はわずか6枚しかありませんが、それでもその時々の気分に応じてCDを聴くのも楽しい限りです。







