林真理子「夜明けのM 」を読んで

題記の林真理子のエッセイ集を読んだ。「週刊文春」に連載されてきたエッセイの中から割と最近のものを抜粋したもので、元の週刊誌のエッセイは史上最多連載回数を達成し、ギネス記録として申請したとのこと。1983年29歳で連載を開始し昭和から平成、令和へと長く続いた秘訣はもちろん本人努力の賜物だが、決して飽きることのない読者ニーズがあってのことだと思う。驚くばかりだ。実際の本の中身はミーハーぽいゴシップものが多いものの、時代を反映した話題のてんこ盛りは読むのに飽きない。具体的内容はそんなこともあったけ、と過去を振り返るばかりでなく、知られざる実体や裏側の世界が垣間見えて目に鱗だ。そして林真理子独特の持論が縦横無尽に展開され、軽妙なテンポで畳みかける様はさすが、文壇の重鎮たる貫禄を感じる。特に面白かったエッセイの一部を拾うと、

  • 年をとるというのは、「怒りっぽくなる」「話が長くなる」「ひがみっぽくなる」 ことだとわかってきた。壊れたレコードのように何度も同じことを繰り返すようになると、余命は1年未満らしい。
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今日のお題は..

今日は震災10周年、メディアの全てで大きく報じられた1日でした。こんな日、自由気ままな当ブログとは言え、あさってなお題の投稿では不謹慎とは言わないまでもとても不適切でお叱りを受けるのが必定でしょう。ここは真摯に哀悼し、これからの平穏を祈るばかりです。被災地の甚大な被害は未曾有の如くで、犠牲になられた方のご家族は「喪失した悲しみは一生、和らぐことがない」主旨の取材レポートを目の当たりにし、その悲惨さに言葉を失います。誰しもが震災当時の辛い思い出があって、震源地から遠く離れていた私の周辺でも、

  • 電気などのエネルギー源、電話、交通機関のインフラが長時間ダウン
  • 帰宅難民であふれ、迎えに行く車で大渋滞
  • ガソリン欠乏でわずかな量を求めて給油所に長蛇の列
  • 計画停電がライフラインにも支障

と、いろいろありました。災害に明け暮れた平成、令和になっても自然の猛威は依然衰えません。息災を願い祈るとともに、今こそ一人一人が防災意識をしっかり持って立ち上がるべきことの大切さを再認識した1日でした。最後に本日の新聞広告から一言。

  • 災害大国から、防災大国へ
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藤崎彩織「読書間奏文 」を読んで

年甲斐もなく題記の本を読んだ。筆者はバンド「SEKAI NO OWARI」のメンバーでピアノを担当するミュージシャンだ。そして文壇にもデビューした後、雑誌「文學界」でエッセイ連載したものを単行本化したものがこの本だ。内容は自身の半生を振り返って生い立ちや学業のこと、ピアノのこと、バンド結成後の活動など、自らの経験を日記風に描いている。ユニークなのは、各エッセイの日々の暮らしで著名な本の内容と似た部分を抜粋を交えてうまく関連付けていて、ある意味、読書感想文的なのだ。文体も洗練されていて、デビュー作が直木賞候補になったことからも非凡さが窺える。バリバリの関西人の父母が登場して大阪弁丸出しなのに、本人は当たり前のように標準語を喋り、標準語の世界に浸っている。自己顕示欲(?)からか、いかにも関西人らしさを言葉の端々に醸し出す人が多い中で、筆者は全く違うスタイルなのもユニークに思える。作風はあまり女性を感じさせず、純文学的な雰囲気があり、いずれのエッセイも面白く読めた。中でも村上春樹の小説に出てくるウィスキーの挿話でそのかっこよさに憧れ、実際に試飲してすっかり本人もウィスキー党になってしまうくだりは上手い描写に感心した。

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図書館事情(2) – 塩尻市立図書館本館

ちょっと間があきましたが、題記のシリーズ物第2弾は塩尻市立図書館本館です。先日、塩尻市内にある9つの図書館で塩尻駅から徒歩8分のところにある本館に行ってきました。初めての訪問で、その時撮った写真が以下の8枚です。市民交流の複合施設「えんぱーく」の1、2階が図書館で、その規模の大きいこと、予想以上の立派さに驚きました。人口約66,000人の図書館とはとても思えません。今まで経験した図書館で、国会図書館は別として最もよく整備された感じで、開放感と言い、自習スペースと言い、モダンさでは群を抜いています。第1回のブログで紹介したLibrary of the Yearでも、2015年の優秀賞に輝いています。市営駐車場も整備されていて、図書館利用者は6時間無料と日々の生活で、特にシニアにとっては天国のような心地よさです。非市民ながら、松本地域の図書館広域連合の特典で図書館利用者カードを取得して、早速、本を借りてきました。以下、簡単に写真説明すると、

こんな感じで、自宅で燻っているよりも何とも開放的でリラックスできます。集客は5年間で300万人超とのことで、確かにうなずけます。立派な施設の潤沢な財源はどこからきたのでしょう、さすが「EPSON」の城下町です。ちなみに長野県の図書館データから、塩尻市は市民一人あたりの蔵書数が飯田市についで第2位、一人あたりの図書の貸出し数は何と県下1位です。小都市ながら市民の本への愛着や教育レベルの高さがこの図書館に凝縮されていました。

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ユニクロ Tシャツ、村上春樹バージョン

本日、ユニクロのTシャツを買いました。村上春樹とコラボしたこのTシャツは本日、3月8日より発売されたもので、私は6種類の柄の中から下の写真の柄を選びました。ネット販売も本日からスタートし、お店の10:00開店前にネットを覗くと、ほとんどの柄でMとLサイズは既に完売の盛況に驚きました。これは大変と、ユニクロ穂高店の開店に合わせて出かけました。でも、店内を一通り探してもないのです。スタッフに問い合わせると、何と本日到着したばかりで、まだ店に並べてないと言うではありませんか。そこで、大きな荷造り箱をスタッフと一緒になって開梱し、1袋づつ柄やサイズを寄り分けてゲットしたのが写真のものです。今回の特別セールでは、購入者のみがQRコードでアクセスできるおまけが付いていて、スマホで早速表示させたものが上の画像です。村上春樹がDJをつとめる不定期の音楽番組「村上RADIO」の特別編が上のスマホ画像から聴けました。特段のハルキストではありませんが、今回のTシャツ並びにおまけの音声プレゼントが気に入った次第です。

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my読書録、300回登録記念

当ブログの読書で、昨日の投稿をもって累計が300回となりました。下の画像は読んだ本の表紙カバーを寄せ集めたもので、確かに全部で300(29×10+10)タイトルあります。当ブログを始めたのが2013年3月で足かけ8年となります。年平均にすれば40冊未満なので、そー多い気はしないのですが、振り返るととても長く積み重ねて今日に至った感じです。日々の生活が読書三昧なほどの読書量ではないものの、読書はこの田舎暮らしの中ではなくてはならない存在で、とても充実した思いがします。感情移入して夢中になったり、その先が気になって気になって夜更かししたり、目から鱗で驚いたり、ハラドキでとても息苦しくなったり、あまりの感動で胸が熱くなったり、まるで我が家の一室が古今東西のスペクタクルへと誘うタイムカプセルのように都度、変貌するのも読書の醍醐味ですね。どうでしょう、一言で言うと、

  • 読書とは、いろんな世界を旅することができる最も近場でいつでも入れる扉

ですね。

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伊与原新「八月の銀の雪 」を読んで

先々月に選考のあった直木賞候補、6作品の中で5作品目を読んだ。残りの1作品(オルタネート)は1/4に至る前にどうにも読みあぐね、すでに途中放棄した。これで一通りの候補作に目を通したが、自分が選ぶとすると本作が直木賞に一番ふさわしいと思った。本作品は5つの独立した短編からなるが、どれも今の世相を背景にしたものの中に地球物理というか科学的な面白話が散りばめられていて、しっとりとしたストーリーの中にうまく調和して楽しめた。どの主人公も悩みを抱え、苦しみそしてあがきながらも人との交わりを通して、最後は爽やかな方向に向かってエンディングとなる構成で、何とも心地よい。著者の経歴は物理系の出身で随所にその面影を感じたが、巻末には凄まじい数の文献が参照されていて、伏線となる理系の語りが本物の中にもエキスが凝縮されており、5つのテーマが楽しく学べた。こんな読書の醍醐味が味わえたことに感謝したい。お勧めの1冊だ。

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図書館事情(1) – Library of the Year

図書館についてシリーズ物で投稿したいと思います。題して「図書館事情」、1回目はLibrary of the Yearです。この賞、Car of the Yearと似たもの同志のようで、各年、図書館関連で優れた機関に賞を授けるもので、私はその存在を最近知りました。発足は2006年で過去15年間で長野県勢では大賞2回を含めて、4回受賞されています。右の画像をクリックすると、今までの受賞リストにリンクを貼りました。結構、長野県勢が頑張っていることに驚きました。そのイベントがどうで、選考会の様子はどうなのかを知る貴重な動画を見つけましたので、よろしければ下の画像をクリックしてご覧ください。毎年、パシフィコ横浜で開催されるイベントのようで、結構レベルが高いのですね。昨年はコロナ禍で、選考会はオンラインで行われたようです。

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北尾トロ「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」を読んで

先日、リモートで行われた講演会で講師を務めた北尾トロ氏の代表作と思しき題記の本を読んだ。2004年の発刊で、60万部のベストセラーで一躍有名となり、その後の裁判傍聴ブームの契機となって、マンガ化、デレビドラマ化、映画化と話題を集めたようだ。本書は筆者が裁判の傍聴に2年間通い詰めた記録をルポ形式で雑誌投稿した連載物を加筆、書き下ろしを加えたものだ。裁判の堅苦しさは微塵もなく、ヤジ馬根性で多くのジャンルの裁判を面白おかしく描いている。対象のほとんどが軽犯罪で、自分のあから様なムラ気も織り交ぜて下品な書きぶりも目立つが、様々な人の人間模様が軽妙にそして切なく、もの悲しくもあって、なかなかの秀作だ。何より、読む人を飽きさせないのが、当時のベストセラーとブームを勝ち取ったのに違いない。これから、この裁判物シリーズを読み漁るか、自分の好みとしてはちょっと微妙だが..。

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2月の天気を振り返って

今日は3月3日、桃の節句でお雛様を飾りました。本来ならば、本日に向けて事前から飾り付けするのでしょうが、信州でのお祝いは旧暦で1ヶ月遅れになるようです。と言っても、桃の咲く時期にこうして飾ると、気分も華やぐものです。
ところで、先月2月の安曇野穂高の天気を振り返ると、気象データは下図の通りです。雨量は平年の半分レベル、その分、日照時間が平年より50時間ほど長かったようです。気温は先々月の1月と同様にかなり高く、特に最高気温は平均値で平年より3.6℃も高まりました。これが単なる年度ばらつきの範疇ならばよいのですが、温暖化で気候変動が加速しているとなると、困ったさんです。今世紀中には、本州ではスキー場がなくなるとも言われ、まさにそれを予感するような2月でした。冬は冬らしくあって欲しい、と想いが募った日々でもありました。

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